リアルタイム術中計画法により、高い放射線エネルギーを照射

滋賀医科大学でもマウントサイナイ医科大学のネルソン・ストーン教授にこれまで3度来院いただいたのち、このリアルタイム術中計画法を発展させて独自の治療プログラムを開発し、難治性の前立腺癌症例を含め多数の患者さんの治療をおこなってきました。

 

前立腺癌小線源治療 滋賀医大での実績 (~2019)

米国において小線源治療は前立腺癌に対する放射線療法として確立され、既に20年以上を経過し、限局性前立腺癌の一般的な治療法として広く行われていますが、われわれはすでに1000例を超える患者さんに、この治療を行っています。

前立腺癌の治療でもっとも大切なことは最初の治療で確実に完治させることです。ここでは小線源療法の内容と滋賀医大でおこなっていた治療の特徴について説明いたします。

われわれは、滋賀医科大学附属病院において、2005年より限局性前立腺癌に対する密封小線源(I-125)の永久挿入療法(以下シード治療もしくは小線源治療と略す)をおこなってきました。また2015年からは泌尿器科から独立し前立腺癌小線源治療学講座、小線源外来として治療を行ってきました。近年は下図の通り、各地より小線源治療をもとめて患者さんが滋賀を訪れていました。

全国の患者さんとご家族から高い支持を受けているのみならず、全国から多くの医師や治療チームが小線源治療を学ぶために当院を来訪されています。

特にわれわれ小線源治療チームはマウントサイナイメディカルセンターで始められたリアルタイムインプラントより独自の治療プログラムを編み出しました。われわれ治療チームがこれまでおこなった12年間、850例におよぶ患者さんの中にはPSAの値が50ng/ml を超える難しい症例の方も多数含まれています。

前立腺癌治療後5年でのPSA非再発率 滋賀医大

これまで治療を行ってきた滋賀医大病院で最低3年以上の追跡観察をおこなった症例での5年でのPSA非再発率は 低リスク98.3% 中間リスク96.9% 高リスク96.3%という結果です。

2014年 第102回 日本泌尿器科学会発表データ

滋賀医大病院における小線源治療は終了 (2019年12月)
これまで、滋賀医大病院において前立腺癌小線源治療学講座として、トリモダリティを含む小線源治療を行ってきましたが、滋賀医大病院の方針転換により2019年末で治療を終了いたしました。
現在、滋賀医大病院 泌尿器科では、新たな小線源治療を開始していますが、その内容は、従来われわれが行っていたものとは異なるものです。